〒135-0064 東京都江東区青海二丁目5番10号 テレコムセンタービル東棟14階
産総研 人工知能技術コンソーシアム ものづくりWG主催のセミナーです。
国立研究開発法人産業技術総合研究所の研究者を講演者に迎え、技能伝承のためのAI活用を主旨に研究紹介頂きます。
2018年2月1日(木) 14:00~16:30
13:30~ 受付開始
14:00 イベント開始
■14:00~
『人工知能の普及・活用と人工知能技術コンソーシアム、ものづくりWG 』
講演者 :原田奈弥
産総研 豊田自動織機-産総研 アドバンスト・ロジスティクス連携研究室
概要 :人工知能技術を実社会問題のために活用し社会実装を進めることは今や全世界的に重要なテーマである。しかしながら、人工知能の技術開発から社会実装における死の谷、ダーウィンの海と呼ばれるイノベーションにおける難問がなお立ちはだかっている。そこで、人工知能技術を実社会問題解決のために活用し、社会実装を進めるための方法論や課題、その解決のための人工知能技術コンソーシアムの組織や考え方、WG活動などを紹介する。WGの中でも特に今回のテーマに関係の深い活動をしているものづくりWGの活動を紹介する。日本のものづくりは、工業や伝統工芸、建築などの様々な分野で世界的な評価や信頼を得てきた。今後の国内外の変化においても継続してこの信頼や競争力を維持するには、人工知能の活用が大きな役割を担うと考えられる。しかし、現在の事業やビジネスを継続して行いながら仕事の進め方や仕組みを変えることは難しい。この課題に対するものづくりWGの活動の成果や今後の課題について紹介する。
※当初予定していた、人工知能研究センター 本村主席研究員(人工知能技術コンソーシアム会長)の講演は、都合により中止になりました。
■14:30~
『デジタルヒューマンとIoTが切り拓く新たな人間計測』
講演者 :多田 充徳
産総研 人間情報研究部門 デジタルヒューマン研究グループ長
概要 :デジタルヒューマンとはコンピュータ上に再現された人間の身体モデルである。もともとは、工業製品の操作感・使用感の仮想評価に使用することを想定していた。このため、身体寸法や形状のデータベースを用いて様々な体型を再現する技術、そして製品使用時の姿勢を再現して製品と身体の間の相互作用を計算する技術を開発してきた。共同研究などを通じて、様々な製品を設計するために活用されてきたデジタルヒューマン技術であるが、近年では製品を使用するユーザの振る舞いを計測する目的でも活用され始めている。即ち、製品に搭載されているIoTセンサから得られる情報に、デジタルヒューマンモデルという拘束条件を適用することで、ユーザの姿勢や運動を現場で計測できるようにするという試みである。これにより、従来は実験室の中で行うユーザ評価実験で取得してきた様々な情報が、実際のユーザによる製品の使用を通じて計測できるようになる。また、単にユーザの振る舞いを計測するだけでなく、ユーザの状態に応じて即時的なフィードバックを行うことで、ユーザの製品使用体験を増進することもできる。本講演では、このようなデジタルヒューマン技術の変遷、即ち「仮想評価のためのCAD型デジタルヒューマンから、ユーザ計測のための組み込み型デジタルヒューマンへの変遷」を概観すると共に、IoTセンサを併用した新たな人間計測に関する具体的な研究事例を紹介する。
■15:00~
『多変量解析による身体運動特徴の包括的比較評価』
講演者 :小林吉之
産総研 人間情報研究部門 デジタルヒューマン研究グループ 主任研究員
概要 :従来のバイオメカニクス分野の研究では、研究者らが着目したいくつかの特徴量について、実験群と統制群とで統計学的な比較をするという研究手法がとられてきた。しかしこのような手法では、計測したデータのほとんどは分析しないため、潜在的に価値のある特徴量を見落とす可能性があることが指摘されている。一方、近年実験群と統制群から取得した身体運動に関するデータ全体を多変量解析を用いて探索的に分析する手法が着目され始めている。我々はこれまで、このような手法を用いて様々な身体運動の特徴を包括的に比較評価し、基礎的知見の確立や製品・サービスの開発を行ってきた。
本講演では、このような技術について、これまで我々が実施してきた具体的な研究事例について紹介する。
■15:30~
『ベテラン知識の技術伝承からAI活用へ - サービスインテリジェンスの底上げを目指して』
講演者 :福田賢一郎
産総研 人工知能研究センター サービスインテリジェンス研究チーム 主任研究員
概要 :人工知能研究センター・サービスインテリジェンス研究チームはサービス産業、製造業の生産性向上を工学的手法によって支援していくために、様々なAI技術を業務に組み込み、社会の中で知識が持続的に生み出され継承される枠組みを実現する研究に取り組んでいる。従来から人の深い気付きやノウハウ知識、高度な判断の根拠などの情報はAIへの活用や新人のOJTなど様々な課題解決に役立つと期待されてきた。しかし、このような状況に依存した莫大な観察や判断情報を、人が伝承したいと感じ、短時間で分かりやすく記述することは困難であった。また、マニュアル化による標準化への取組みにおいてもマニュアル作成はその労力の大きさに比べ、日常業務での活用機会が限定的で、業務実態に合わせた改訂も不十分になってしまうケースが存在した。そこで、日常の活動を支援する技術に、表現したくなる仕掛けを組み込み、人々の能力を底上げし、現場の人々が深い知識やデータを効率的に自然に共創し、AIや新人が利用できる形式に構造化して蓄積していくサイクルを持続的に実現する必要がある。本講演では、人の気づき力やスキル、判断力、チームワーク力の強化のために、既存のガイドラインやマニュアルでは表現されない業務に関する知識や気づきを共有し分析することを支援する情報共有蓄積システムおよびそれらの情報に基づいて知識を拡充し構造化する知識発現技術の研究について紹介する。
■16:00~16:15
講演者によるパネルディスカッション
<予定テーマ>
・研究を社会実装する上での課題
・産官学連携の重要性
・オープンイノベーションを行う上での産総研や民間企業の役割
■16:15~16:30
会終了後に個別相談 ・意見交換を予定しております。
★目 的 企業・大学・研究機関の技術交流の場を提供することにより、人工知能技術に関連する情報の共通認識形成を図り、人工知能技術全般の一層の技術向上及び普及を促進することを目的に、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)人工知能研究センターに人工知能技術コンソーシアムを設置。 ★事 業 ①人工知能に関連した技術の情報交換 ②人工知能に関連した技術の情報収集と提供 ③その他本コンソーシア...
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